丹後ちりめんの出来るまで

作業1:糸繰り

[写真左:かせ・右:糸わく]

繭からひいた生糸(原 糸)がかせ(写真左)になって工場へ送られてきます。
かせを糸わく(写真右)に巻き取ります。
この時、天然の生糸の風合いを保つため、やさしくひっぱらずにそっと巻き取 ります。
この作業を糸繰り(いとくり)といいます。

作業2:整経

[写真左:千切り(ちきり)・右:整経]

わくに巻き取った糸を一定の張力と長さで整え、織 物の幅に必要な本数(3000 ??5000 本)にして
千切り(写真左)というものに30??50 反分の経糸(たていと)を巻き上げます。
これを整経(写真右)と言います。

作業3:ぬき合わせ

「ぬき」とは、緯糸(よこいと)のことです。
糊の付いた原糸を8本、14本、18本、22本、30本、42本、52本 、80本と合わせます。
この合わせる本数の違いが、縮緬の厚み、又は、シボの大きさを変えていきます。

作業4:撚糸

[写真:八丁撚糸機]

八丁撚糸機(写真)を使って、数百年来変わらない同じ撚り方法でよこ糸(緯糸)に撚(よ) りをかけていきます。
この撚糸機も、すでに120歳を越えました。

作業5:撚糸

[写真:製織]

いわゆる機織り(ハタオリ)です。
管巻き作業の後、製織に入ります。
昔から変わらない手織機(テバタ)を少し改良した程度の織機で、丹念に、糸を傷つけないように、
熟練した女性の手で織り上げていきま す。
ちなみに1台の織機で1反(風呂敷 68cm 幅×24m)織るのに8時間くらいかかります。

作業6:精練

織り上げられた生地は、まだゴワゴワしています。
ですから、昼夜、石鹸 を中心とした薬品を加えた熱湯の中で、
セリシン(生糸についているまわりのタンパ ク質や不純物)が洗い落とされ、取り除かれます。
こ の作業を精練と言います。

この精練が終わり、乾燥させると、美しい光沢をもった反物ができあがります 。


以上、専門的に言えば、約十過程にのぼる工程を、簡単に6つに分けて紹介しましたが、だいたいおわかりいただけたでしょうか?